こんばんは。

先日、患者さんの家族から
「親切にしてもらっている、病院の方に……」と、一冊の小冊子を頂きました。

それは、患者さんの生まれてから入院する迄の自伝でした。

私たち医療従事者は日々多くの患者さんと接します。
その為、患者さんの事を
「一人の患者さん」と言う見方では無く、
「多くの患者さんの中の一人」と言う見方でしか見れなくなっています。

その様な訳で、患者さん個人について書かれた小冊子を頂いても、正直、コメントに困ってしまいます。

でも、頂いた以上、目を通さない訳にもいかず、ペラペラっとページをめくってみました。

内容は、患者さんが生まれてから、闘病生活に至る迄の事が書かれていて、私たちが気付かない病院の事などが書かれているではないですか……。
正直、圧倒されました。

私たちにとって
「多くの患者さんの中の一人」であるその患者さん、
しかし、患者さんにとっては、入院生活が人生の一ページ、いや、何十ページにもなっていることを改めて思い知らされました……。

私は医療従事者として働く場を与えられている一方、日常の業務に忙殺され、
業務の過程の一つとして、人の死を見る中で、「人の死」に対しても、無関心・無感動になってしまっていました。

私自身、人の一生について、少し振り返る事、
そして、患者さんの気持ちになって考える事こそが病院には必要だという事を感じさせる、
そんな一冊の小冊子でした。